怖い話:見えてるよね?(洒落怖)

怖い話:見えてるよね?(洒落怖)

 

ついこの間体験した話です。

久しぶりに普段使わない

沿線の電車に乗りました。

 

飲み会の帰りで、

その沿線は終電が遅く、

半年振りくらいにその電車を

使ったのです。

 

いつもは同じ方向に家のある

友達の車に乗せてもらったり、

普段使う沿線の終電で

帰ったりするのですが、

 

その日はどうしても

色々都合がつかなかったので、

本当に久々の利用でした。

 

飲み会も終わり、

その駅へ向かいます。

 

電車がくるまで15分ほどあったので

ホームのベンチで

携帯をいじっていました。

 

少し肌寒くなってきたので

上着を羽織り、

また携帯をいじっていると

隣に女性が座りました。

 

特にそれが気になったわけでは

ないのですが、

ふと顔を上げてホームを見ると

同じように電車を待つ

サラリーマンや学生の姿が見えます。

 

しばらくその様子を眺めながら

少し違和感を感じました。

 

私の座っていたベンチは

ホームの奥のほうにあったので

同じ側のホームで待つ人たちの

後姿を見ることが出来ます。

 

その後姿の中に、

少しおかしな人がいたのです。

 

ホームのぎりぎり、

白線もこえて線路との

ぎりぎりのところに立って、

ゆらゆらと体を前後させる

若い女性がいるのです。

 

ふらふら、ゆらゆらと危なっかしく

なんとなく目で追ってしまったのです。

 

しかも、この肌寒いのに

ノースリーブのワンピース一枚で、

特にかばんなどを

持っている様子もありません。

 

もしかして飛び込み自殺かな

怖いなと思っていると、

不意に隣の女性に肩を叩かれて、

びっくりして振り向きました。

 

すると隣の女性が、

泣きそうな顔をしながら

私にこういいます。

 

「あの、あの人見えてるよね?」

 

そう聞かれて、

一瞬何のことかと思いましたが

その女性が目を向けたほうに

私も目をやりました。

 

その場所はさっきまで

あやしい女性が立っていた

場所だったのですが、

その女性の姿がなくなっていました。

 

周りを見てもいないし、

でもほんの一瞬目を離しただけなので

いなくなるはずがありません。

 

落ちてしまったのかとも

思ったのですが、

周囲の人の様子は先ほどと

変わらなかったので

それも違うみたいです。

 

ただ驚いて隣の女性に目をやると

「見えてる、よね?」

とまた聞いてきます。

 

どうやらその人にはまだあの女が

見えているみたいなのです。

 

そうわかった瞬間に

ものすごく怖くなって、

隣の女性に

 

向こうの自販機で暖かいものでも飲みませんか」

 

と誘って、手を取って

立ち上がりました。

 

女性も何かを察したのか

言われるがままに

ついて来てくれたので、

自販機でコーヒーを買って飲み

そのままじっと電車が来るのを

待ちました。

 

電車に乗り込んで

その女がいた場所を通り過ぎる瞬間

女性が下を向きました。

 

やはりそこに女がいて

顔も見えたそうです。

 

「笑っていました、口元しか見えなかったけど…」

 

それ以来、

その沿線の終電には乗っていません。

 

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