怖い話:踏切の人影(洒落怖)

怖い話:踏切の人影(洒落怖)

 

家族旅行に出かけて、

車で帰ってきた時の事です。

 

夜の10時頃、

後20分くらいで家に着くあたりで、

踏切に引っかかりました。

 

私の実家は田舎なので

田んぼや畑が広がっていて、

辺りを遠くまで

見渡せるようになっていました。

 

車の中には私と兄、弟、

母が旅行の疲れで

ぼんやりと寝たり

起きたりしていて、

父が運転席で家路を

急いでいました。

 

踏切にひっかかり、

サイドブレーキを引いて、

列車が来るまでの時間を待っていました。

 

まだ列車のライトが

遠くに見えたので、

父は窓を開けてタバコを

吸おうとしたそうです。

 

そのとき、

「何してるんだ…?」

と父がつぶやいたので、

家族全員が父の見るほうを覗くと、

電車が来るほうと反対側の線路に、

ぼんやりと人影が見えました。

 

助手席にいた母が

「自殺かな…?」

と声を上げたのですが、

そんなことはないだろう

と私たちは笑います。

 

しかし、母があまりにも心配するので、

良く見るとやっぱりそれは人影で、

 

ただその人影はライトに

照らされているはずなのに

あまり良く様子が見えないのです。

 

おかしいなと思っているうちに、

轟音を立てて貨物列車が

通り過ぎていきます。

 

窓を開けたままでしたが、

ブレーキ音もならないし

変な音もしません。

 

貨物列車が通り過ぎた後

恐る恐る踏切を車で渡りましたが、

そんな事故があった様子は感じられず、

気のせいだったとみんなで

無理やり納得して家に帰りました。

 

家に帰り、

家族で順番に風呂に入りました。

兄が一番最後に入ったとき、

残りの家族全員で居間で

テレビを見ていたのですが、

兄が風呂から上がってきて、

何も言わずにその場で

呆然と立ち止まるのです。

 

何事かと思い兄のほうを見ると、

兄は窓の外をじっと見ていました。

 

私の家は、

リビングに面して大きな窓があり、

その外に庭があります。

 

リビングの大きな窓には

レースのカーテンを

いつもかけているので、

庭の様子は透けて

見える程度でした。

 

その庭のほうから、

砂利をゆっくり踏む音が

聞こえてきました。

私以外の家族も、

兄の様子と窓の外の音を聞いて、

テレビの音を小さくして

そちらのほうを見ます。

 

窓の外には大きな人影が

歩いていました。

ゆっくりゆっくりと。

 

でも良く見ると…

その人影には首から上が

ありませんでした。

バランスが悪く、

足をふらふらさせて

歩いているのでした。

 

あまりの恐怖に、

そっと音を立てないように

家族全員が部屋の中心に集まり、

その人影が窓を横切って

姿が見えなくなるまで

みんなで息を潜めていました。

 

後日聞いた話では、

私たちが旅行に行っている間に

あの踏切で事故があり、

亡くなった方がいたそうです。

その人は線路に横たわった

状態で首をはねられて

亡くなったそうです。

 

現在は、

夜になると居間の窓は

厚手のカーテンを閉めて

朝までカーテンを

決して開けないようにしています。

 

未だに時々、

ゆっくり、ふらふらと

窓の外を歩く音が聞こえるのです…

 

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