怖い話:誰かそこにいるの(洒落怖)

怖い話:誰かそこにいるの(洒落怖)

 

3年前、叔父が亡くなりました。

 

通夜が終わり、

私たち家族は叔父の家に泊まることに

なっていたのですが、仲のいい従兄弟が

もう一人叔父の家に泊まるというので、

兄とついていくことにしました。

 

その叔父の家は

結構離れた場所にある古い家と、

通夜の場所から近い新しい家があります。

 

もともと古いほうには

ずいぶん前に亡くなった叔父と叔母が

住んでいてこの日泊まるのは

その古いほうの家でした。

 

正直、その日に亡くなった叔父とは

あまり関わりがなく、

久しぶりに会えた従兄弟たちと

話せるのが楽しかった私は、

お泊りにわくわくしていました。

 

 

古い家に住んでいたほうの叔父は

私たちの父とも仲がよく、

たまに遊びに来ていたので

よく知った家だったのですが、

それでも林に囲まれた古い一軒家は少し怖く、

到着したのが夜遅くでしたので

不気味さを増していました。

 

ほかにも一緒に来ていた親戚たちは

1階の部屋で早々に寝てしまいましたが

2階で寝る従兄弟たちと兄と私は、

寝転がってくだらない話をし続けていました。

 

すると、従弟が、

「さっきから階段上り降りしてるの誰?」

と言い出すのです。

 

兄が

「誰かトイレでもいったんじゃないか?」

というので、そのまま何も気にせず

また話をしていたのですが、

 

もうしばらくして今度は従兄のほうが

「まだ誰か階段にいるな」

と言い出しました。

 

びっくりした私は話すのをやめて

耳をすませます。

すると、確かに

「とんとん、とんととん」

と階段を上ったり降りたりする音が

聞こえるのです。

 

兄が扉を開けて

「誰かいるの?」

と声をかけます。

 

すると、音が止まりました。

 

「誰もいない。外の音じゃない?」

そういうとまた扉を閉め、

話を続けました。

 

しかしみんな一度気になってしまうと

なかなか話ができません。

 

誰ともなく話をするのをやめ

また聞き耳を立てました。

 

「とんとん、とんととん、とんとん、とととと」

 

音に集中して聞いてみると

その音が一定のリズムではないことが

わかりました。

 

ただ階段を昇り降りしているだけの

音ではありません。

 

「なんだろ、なんか、子供が階段で遊んでるみたいな…」

 

従兄がそういったとたん

ぞくぞくぞくっと鳥肌がたちました。

 

まさにそんな感じだ、

と言葉も出ないでいると

他の3人もそうだったのか

目を合わせたまま動きません。

 

意を決したように従兄がもう一度戸を開き

 

「誰かそこにいるのか!」

 

と叫びました。

従兄の後ろから、

全員恐る恐る階段のほうを

覗き込みましたが、やはり誰もいません。

 

誰もいない暗闇で

「とんとん、ととんとん」

と階段の音だけがなっているのです。

 

私たちは無我夢中で布団に飛び込み

体を寄せ合って一晩過ごしました。

 

いつの間にか朝になっていて

階下では親戚たちが起きだした音が聞こえます。

 

安心して下に降りようと向かったとき

前を歩く従兄と兄の足が止まりました。

 

階段の上に、

子供の靴が二つ。

 

親戚たちには、

こんな小さな子供はいませんでした。

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